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YUKINORI ITO
伊藤 幸紀
コーエーテクモゲームス常務執行役員
シブサワ・コウブランド長
アジアを超えて
三國志を
世界中に広めたい
先輩たちが築いてきたIPの強み
シブサワ・コウブランドは、「信長の野望」や「三國志」、そして「大航海時代」や「WinningPost」などシミュレーションゲームを多くつくっています。パッケージゲームはもちろん、スマートフォンアプリやオンラインゲームなど、プラットフォームを問わずさまざまに開発を手がけています。また、ネットワーク系が強いところも特徴で、かつて社内にあったネットワーク事業部で取り組んできたことの多くが、シブサワ・コウブランドに引き継がれています。ネットワークゲームの黎明期から積み上げてきたノウハウは、大きな強みですね。
シブサワ・コウブランドは「堅いところ」と思われる方も多いと思います。歴史ものだし、ゲームにはおっさんばかり出てくるし(笑)。でもブランド内にいるのは、面白いものをつくろうよと懸命に取り組んでいる優秀なゲームクリエイターです。安心してください。
私はプロデューサーとして外に出ることが多いのですが、いろいろなところで「三國志やっていました」とか「信長の野望やっていました」とか声をかけていただくんですね。先輩たちがつくったものが強い印象となってIPの強みにもなっているわけで、とても感謝しています。
そんな伝統のブランドですが、経験の浅い人でも好きに意見をいえて、怒られることはありません。今後もさらに「意見をみんなでいおうよ」という感じにしていきたいと思っています。
『覇道』で感じたお客様の想い
近年、スマートフォンアプリでもアジア地域で大きな成功を収められています。IP許諾の形で制作されたものが大ヒットしていますし、当社で開発して運営している『三國志 覇道』『信長の野望 覇道』も大ヒットとなっています。
両『覇道』で多くのお客様から声をいただくようになって、改めてお客様が「三國志」や「信長の野望」をとても深く理解されていて、両シリーズが強く期待されていることに気づかされました。先人たちがつくってきた歴史は、このように続いているんだなと感じています。また、SNSなどでお客様からいただいた意見はきちんと確認しています。改善要望や感想など、考慮をしっかりします。もちろん、ゲームの方針として採用するかしないかはあるんですけど、検討は絶対にしようと心がけています。
野望は尽きない
前期『信長の野望・新生 with パワーアップキット』をリリースし、お客様から非常に高い評価をいただいています。今期は『三國志8 REMAKE』をリリースします。リメイクを超えた作品に仕上がっていると思っていますので、是非手に取って遊んでいただきたいです。そして、スマートフォンアプリ『信長の野望 覇道』『三國志 覇道』のアップデートやサービスは今までと同様にスピード感をもって、プレイヤーの皆様の期待を越えられるように運営してまいります。また、シミュレーションタイトルの世界展開をさらに進めて、ミリオンタイトルに育てたいと思っています。アジアの枠を越えて、世界中で楽しんでいただきたい。あと、コラボレーションも進めたいですね。『ファイアーエムブレム 風花雪月』で成功できたように、他社様とご一緒するプロジェクトの知見がだいぶ整ってきました。
また、5年、10年という期間で目指すものとして、シブサワ・コウというプロデューサー名を、改めてブランドの名前として皆さんに記憶していただけるよう取り組んでいきます。皆さんから、シブサワ・コウブランドがつくるゲームなら買って損はないと、思っていただけるブランドにしたいと考えています。
自分が考えた最強ゲームを実現しよう
ゲームの制作に関わる人は、つねに自分で作りたいゲームのイメージを持ち続けてほしいと思います。その内容は経験によって変わってもいいと思っています。そのときどきによって、「私が考えた最強のゲーム」というのを、自分の中にもってほしいと思う。やりたいことをしっかり持っていれば、自分がキャリアパスとして今後どういうことをしないといけないか、何が足りないか、必然的に理解できていくと思います。また、自分を向上させるためのパワーにもなるでしょう。
ただ、まずは難しいことは抜きにして、自分がめっちゃ楽しむこと。好きなゲームが仕事になる。今できる最高なこと、それがソーシャルゲームプランナーだと思います。
シブサワ・コウブランド長
伊藤 幸紀
これまでシブサワ・コウでディレクターやプロデューサーを務めてきた。以前、自分で入れた処理で進行不能を起こしてしまったことがある。各方面に迷惑をかけ、先輩からは「次は同じことを繰り返さないように頑張ろう」と励まされたという。「インターネットの普及した今でも、不具合には敏感でなければと思っています」